今回の参加費は、あらかじめぼくたちが設定するのではなく、みなさんに決めていただくことにしました。
具体的には、Financial Co-Responsibility(経済的な責任の分かち合い)と Money Pile(お金の山分け)というやり方でやってみたいのです。

これらは合意形成の実際のプロセスでもあり、ぼくたちが望む新しいパラダイムへの第一歩でもあると考えたからです。

合意形成をする際の前提のひとつとして、ぼくたちは、

「ぼくたちの間で、どのように物事が運んでいくのか?」ということに関して、ぼくたちの全員が責任を共有している。

ということを、非常に大切だと考えています。

ぼくたちは密接に織り合ったリソースとリスクの網の目の上にいるのです。 ここでのリソースは物質的なリソースのことばかりを指しているのではありません。 スペースや時間、個々人が持っている目に見えない能力や個々の存在自体、お互いの関係性なども含んでいます。 リソースとリスクを共有しているからこそ、リソースをどのように分け合い、どのようにリスクを防ぎ、 なにか起こった際にどのように応答するのかということに関する合意が重要になってきます。

一方で、ぼくたちが意識的に選択して合意したわけでもないのに、 ぼくたちの暮らしのなかには、生まれる前から稼働しているシステムが当たり前のように存在していることがあります。

そのシステムの存在や起こっている現象に自覚的になることで、「どのようなシステムがいま現在のぼくたちの夢を満たすのか?」というような問いを、 自分のなかや他の人と一緒に考えはじめることができます。 このように問うという行為によって、ほんとうに意味のある未来や関係性に向かう合意形成のはじめの一歩を踏み出せるとぼくたちは信じています。 こうした観点から「ぼくたちの夢を満たす経済システムはどんなものなのか?」という問いを立ててみたいのです。

経済システムに対して「どのような代替システムを採用するのか?」ということも大きな合意形成の対象ですが、 今回は、すでに他の人たちがやっているやり方で素敵だと思ったやり方を採用します。 Financial Co-Responsibility(経済的な責任の分かち合い)と Money Pile(お金の山分け)というやり方です。 これらのシステムに則って、経済的なプロセスを実際に体験することで新しいパラダイムに向かう足がかりにしたいのです。

Financial Co-Responsibility(経済的な責任の分かち合い)

Financial Co-Responsibility(経済的な責任の分かち合い)では、「このイベントを開催するにためにかかったコストを参加者全員の共同責任で引き受けたときになにが起こるのか?」 を体験したいと思っており、次の手順で行います。

  • 可能な限り共同責任という意識を持てるように、ぼくたちはイベントのための必要経費や準備のためにかかった時間や労力などを、イベントのなかで、みなさんに提示・アナウンスします。
  • 参加者のみなさんは、終わりの時間に向けて、イベントの間に得た学びや気づき、つながりなどについて自分のなかで確かめながら、どのくらいの貢献をするのかを考えてください。感謝などは別のかたちで伝えていただくことができますので、切り分けて純粋に経済的なコストの側面だけを考えてください。
  • ボウルなど回収するための器を用意しておきますので、アナウンスの時間までに、みなさんからの経済的な貢献を入れてください。無記名でも、記名でも構いません。事前に入れていただいても構いませんし、一度入れた後の追加も歓迎です。
  • このプロセスや経費などについての疑問や質問がありましたら、適宜、主催者に教えてください。参加者全員に伝わるなんらかの方法で回答します。

Money Pile(お金の山分け)

Money Pile(お金の山分け)では、「みなさんから集めたお金を、みなさんの目の前で、このイベントの開催に携わった人たちの間で、お互いの関係性のなかで分け合ったらなにが起こるのか?」 ということを体験したいと思っており、次の手順で行います。

  • みなさんから集めたお金を集計し、みなさんに明示します。
  • イベントの開催に携わった人たちを集めてサークル(車座)をつくります。
  • このサークルを大きく囲むように、みなさんもサークルをつくって、中央のサークルでのやりとりを外側から見守ってください。
  • 中央のサークルには空席を用意しておきます。意見や想いがある場合は、外側のサークルにいる方も、いつでも、そこに座って意見等を表明することができます。
  • はじめに集計した金額を大きな紙に書き、中央のサークルにいる人たちの間で、想いなどを交換しながら、どのように分けるかを決めていきます。

お金の価値はひとそれぞれで、水道が止まってどうやって払おうと悩んでいる人にとっての10,000円の重みと夕食のためだけに香港に飛行機で飛ぶ人にとっての10,000円の重みは違います。もしお金が障壁ではなくなり、ひとつの要素であるとしたら、ぼくたちの生活はどんな風になるだろうか?

ぼくたちの営みのうち、お互いの関係性やそれぞれのなかにある想いというものは、合理的なお金という媒体の背後に隠されてしまうことが往々にしてあります。それらを明るみに引っ張り出したとき、ぼくたちにどんな変化があるのだろうか?

そんなことについても、この合意形成のプロセスのなかで、みなさんと一緒に考え、目撃してみたいのです。

長田誠司、牧原ゆりえ


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